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  3. コーヒーの濃度を制する者はコーヒーのおいしさを制する

コーヒーの味を追求する上で、収率TDSという2つの指標が非常に重要になってきます。これらは、コーヒーの抽出過程における重要な数値であり、コーヒーの濃度や抽出の程度を客観的に評価する上で欠かせないものです。

この記事では、コーヒー初心者の方にも分かりやすく、収率とTDSについて詳しく解説していきます。これらの概念を理解することで、より深くコーヒーの世界を楽しむことができるでしょう。

1. 収率とは?

収率とは、コーヒー豆からどれだけ成分を抽出できたかを表す割合のことです。簡単に言うと、コーヒー豆100gに対して、どれだけの量のコーヒー成分を抽出できたかを示す指標です。

収率の計算方法

収率は、以下の式で計算することができます。

収率(%) = (抽出されたコーヒー成分の量 / コーヒー豆の量) × 100

例えば、10gのコーヒー豆から200g(ml)のコーヒーの液体を抽出し、その中に2gのコーヒー成分が含まれていた場合、収率は20%となります。

収率の重要性

収率は、コーヒーの味に大きく影響を与えます。

  • 収率が低い場合:
    • コーヒーの味が薄く、酸味が強調される傾向があります。
    • 未抽出の状態であり、コーヒー豆に含まれる風味成分が十分に抽出されていない可能性があります。
  • 収率が高い場合:
    • コーヒーの味が濃く、苦みやえぐみを感じることがあります。
    • 過抽出の状態であり、コーヒー豆に含まれる不要な成分まで抽出されてしまっている可能性があります。

一般的に、収率は18~22%が理想的な範囲とされています。

2. TDSとは?

TDSとは、Total Dissolved Solidsの略で、総溶解固形分という意味です。コーヒーに含まれる水以外の成分、つまりコーヒーの成分全体の濃度を表します。

TDSの測定方法

TDSは、専用の測定器を用いて測定します。家庭用の簡易的なTDS計から、プロ向けの高精度なTDS計まで、様々な種類があります。

TDS測定器は、コーヒーの濃度を直接測定できる便利なツールです。これを使えば、抽出されたコーヒーにどれだけのコーヒー成分が含まれているのか、簡単に把握することができます。

TDSの重要性

TDSは、コーヒーの濃度を数値化し、客観的に評価する上で重要な指標です。

  • TDSが低い場合:
    • コーヒーが薄く、味がぼやける傾向があります。
  • TDSが高い場合:
    • コーヒーが濃く、苦みやえぐみを感じることがあります。

一般的に、TDSは1.15~1.35%が理想的な範囲とされています。

3. 収率とTDSの関係

収率とTDSは、密接な関係があります。

  • 収率が高いほど、一般的にTDSも高くなる傾向があります。
  • 粒度が細かいほど、収率とTDSは高くなる傾向があります。
  • 湯温が高いほど、収率とTDSは高くなる傾向があります。

しかし、収率とTDSは必ずしも比例するわけではありません。例えば、粗挽きの豆で長時間抽出すると、収率は高くなる一方で、TDSは低くなることがあります。

TDSの値から収率の値が計算できる

収率は、TDSの値と、コーヒー豆の量、抽出液の量から計算することができます。

収率の計算式

収率(%) = (TDS × 抽出液の量 ÷ 100) ÷ コーヒー豆の量 × 100

例:

  • TDSが1.2%、抽出液が200g、コーヒー豆が15gの場合、
  • 収率 = (1.2 × 200 ÷ 100) ÷ 15 × 100 = 16%

となります。

4. 収率とTDSを調整する

収率とTDSは、以下の方法で調整することができます。

  • 豆の量: 豆の量を増やすと、TDSは高くなります。
  • 水の量: 水の量を減らすと、TDSは高くなります。
  • 抽出時間: 抽出時間を長くすると、収率とTDSは高くなる傾向があります。
  • 粒度: 粒度を細かくすると、収率とTDSは高くなる傾向があります。
  • 湯温: 湯温を高くすると、収率とTDSは高くなる傾向があります。

5. 収率とTDSを測るメリット

収率とTDSを測ることで、以下のメリットが得られます。

  • 自分の好みの味を数値化できる: 自分の好きなコーヒーの味を数値化することで、再現性のあるコーヒーを淹れることができます。
  • 抽出の改善に繋がる: 収率とTDSを測定し、目標とする数値に近づけることで、抽出の精度を向上させることができます。
  • コーヒー豆の特性を理解できる: 異なるコーヒー豆の収率とTDSを比較することで、それぞれの豆の特性を深く理解することができます。

まとめ

収率とTDSは、コーヒーの抽出を数値化し、客観的に評価するための重要な指標です。これらの概念を理解することで、より深くコーヒーの世界を楽しむことができるでしょう。

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